週刊外資系新聞

営業マネージャーのための予算必達術

メルマガ 2010年8月8日号

第3章 外資系企業で求められる語学力

第2節 どうして英語が話せないのか

日本人は英語ができない。
そんなことは、ありません。
できるか、できないかと言えば、かなりできる方です。
でも、話せない。聞き取れない。
これは確かです。

英語はとっつきやすい言葉です。
他のヨーロッパ語に比べれば、文法はこれ以上できないほど簡略化されています。動詞の活用は原形、過去形、完了形の3つしかありませんし、名詞や形容詞が性や格で変化することもありません。

文法が簡単になった分、慣用的な用法を覚えなくてはなりませんが、それはかなり学習の進んだ後の話です。

英語の文法の知識や、語彙の数、そして文章を読み解く力では日本人は優秀な方だと思います。
大学の入試に出されるエッセイなど、高度な英語力がなければ、読み解いて、解答を書けません。

しかし、こんなに「できる」のに、話せない、聞き取れないのはどうしてでしょう。



結論から言うと、試験向けに、クイズに答える勉強をさせるからです。

論述式で書かせたり、口頭試問で喋らせたりすれば、英語力はすぐに測れますが、万の学生を相手に入学試験でこれをする訳にはいきません。
そうなると、断片的な知識を答えさせる、クイズ形式の問題を採用することになります。

他の教科ならともかく、言葉の学習には不向きなテストです。
言葉は文や文のひとまとまりで交わされますから、どれほど単語や文法の断片的な知識が詰め込んであっても、それだけでは役にはたちません。
英語はできるが、話せない俊才が生まれる理由です。

もっと悪いことに、高度なクイズ問題に、「次の文の間違いを直せ」という、間違い探しが採用されます。

「間違っているかもしれない」という意識ほど、人を怖気づかせるものはありません。

「こんなエラーをしたヤツがおる」と、怖い監督から怒鳴られながら練習しても、運動は上手にならないものです。

間違い探しクイズでいい点を取れるようになるほど、英語を話すのに躊躇するようになります。

ましてや、日本人の多くは潔癖性で、きちんとしたことが好きなので、間違っているかも知れない英語など、恥ずかしくて話せません。

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暗唱のすすめ
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英語が話せるようになり、聞き取れるようになる方法があります。

それは暗唱です。
フレーズや文章単位ではなく、いくつかの文章のまとまった段落ごと覚えてしまう。
そしてそれをそらで言ってみる。
何度も何度も。歌を覚えるように。

ラジオの英会話教室でも、聞いているだけではだめです。
スキットの受け答えをするだけでもだめです。
会話文全部を覚えてしまい、そらで再現する。
途中でつっかえたら、もう一度初めから。

そのときに大事なのは、元の素材のスピードに合うまで、つまり速く、淀みなく言葉が口をついて出てくるまで繰り返すことです。

覚える分量は問題ではありません。
ラジオ講座だったら、月曜日の分を一週間かけて源調のスピードで暗唱できるようになればいいです。

半年後、勝手に英語が口をついて出てくる、そんな自分に驚いているはずです。

話せるようになると、聞き取れるようになります。
聞き取りが先で、話す能力は最後だろうと、私も思っていたのですが、話せなければ、聞き取れない。
これがどうも真理のようです。

以前は私もネイティブのスピードに慣れようと、FENのニュースをガマンして聞いていましたがムダでした。
反対に簡単な内容ものでも、ネイティブのスピードで話せるようになると、FENのニュースも大体聞き取れるようになります。
こうなれば、後は語彙を増やしていくだけ。
この方が、ムダがありません。

好きな映画のシーンを丸ごと覚えてしまうことをお勧めします。
ちなみに、私は『地獄の黙示録』のいくつかのシーンを完全再現できます。
(飲み会で披露しても、絶対に受けない芸であることは、あらかじめお断りしておきます。)

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仮定法の本当の使い方
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仮定法というと、高2で習う、“If I were a bird, …”というのを思い出します。

50年以上生きてきましたが、このセリフを使う機会はありませんでした。

その代わり、よく使うのは、“If I were you, ……”です。
「私があなただったら」なんて、もっとありそうもないことですが、これは「私ならこうするけどなあ…」という婉曲な指導であり、命令です。

直接「こうしろ、ああしろ」と言われると、ムッときますが、「僕ならこうするけど、どうかなあ」と言われれば、それもそうかと納得しやすいものです。

「難しいのは分かっているんだけれど、もしもこんなことしてくれたら、嬉しいなあ」というニュアンスを表すのも仮定法の役割です。

だから、実生活ではとてもよく使います。
日本語だって、言いにくい話は「これは仮の話だけど…」などと、ボカすでしょう。
同じことです。

婉曲に頼まれたらば、これまた、「これこれの困難があるので、再考してもらえたら嬉しいなあ」など、ひょろりと婉曲な断りをすれば良い。

「ノーと言えない日本人」などと言われますが、どの国の人だって、面と向かって相手に「ノー」と言うのは嫌ですし、言われるのはもっと嫌です。
相手が外国人でも、気持ちへの配慮をお忘れなく。

「大人の会話は仮定法」。
仮定法は鳥を夢見る言葉ではなく、現実の人生に最も役立つ文法です。

今回もお読みいただきありがとうございます。


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